弊社は、今期で創業34年を迎えました。
開業当時の僕は、小さなカウンターキッチンに立ち、自分の作った料理をお客様が召し上がった時の笑顔を見て、自分まで自然と笑顔になることが嬉しくて仕方がありませんでした。その喜びをまた味わいたくて、取り皿やナイフ・フォークは多めにつける、お手洗いなどで席を離れられたお客様には、戻られるまで決して料理は出さない、味付けや食材の特徴を料理説明に盛り込む等…。当たり前のことを繰り返すことで、それがお客様の満足につながり感動に繋がっていくことを実感しました。そして、そのことは正に経営の信念となって、行動指針である「お客様に楽しんで頂くことが私達の喜びです。」に込められています。
デジタル時代と呼ばれる中、DXやAIによって残る産業と淘汰される産業がドラスティックに変化すると言われていますが、わたしたち外食産業のこれからは現場の発想力や想像力がとても大事になってくると考えています。目の前にいるお客様の「こうだったらいいのにな」を解決できる行動力とサービスしか、これからは生き残れません。
外食というのは「デジタル時代に残る最後のアナログ」だと思います。
ひとが人を介して喜びをキャッチボールする、アナログにしかできないものが集って、姿・形こそ変わったとしても、カンパーニュレストラングループが考えるダイニングアウトに対して、「やっぱりこれだよね!」と言ってもらうことができれば、マーケット規模も広がっていくし、働く人たちの雇用も守られるし、誇りの持てる、必要とされる産業に必ずなっていくと確信しています。
良い店だと言ってくださる方のポイントが、店の雰囲気や流れている音楽なのか、スタッフのサービスなのか、料理や飲み物やドルチェなのかはそれぞれ違いますが、それを愚直に真摯に考えて、瞬時に「こういうものはいかがですか?」と提案し続けることは、やり甲斐があって、まっすぐで楽しいことです。失敗も繰り返しながら、成功体験を築き上げて、横展開して共有すること。お客様へのアプローチを真摯に続けた結果、「ありがとう」の数が増えていくことをリアルにイメージしていきたい。
ありがとうと言っていただける仕事を、妥協せずに情熱をもって磨き続けて、これからも丁寧に真っ直ぐに創っていこうと思っています。
2022年吉日
株式会社カンパーニュレストラングループ
代表取締役 堀 勝彦